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多賀法律事務所
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 HPをリニューアルしたこともあり、ブログを始めることにしました。
業務に関する雑感等を書いていきたいと思います。
 
 刑事手続きでは逮捕(48時間が限度)の後、裁判官による勾留という身体拘束手続が決定される場合があり、これは10日間が限度ですが、さらに取り調べが必要ということで延長が決定がされると、さらに10日間を限度に身体拘束が続くことになります。この間に警察官等が取調べ等を行い証拠を集めていきます。
 最近、万引事件で共犯者として逮捕された方の弁護人に付きました。
この方は、実際に万引を実行した人から共犯者であると言われたため逮捕されたようでした。しかし、逮捕された本人は身に覚えがなく、勾留が続けばようやく勤め始めた会社を辞めさせられてしまいかねないという事案でした。
 本人は知らないという供述を続けたためか、勾留され、警察から「嘘を言うな。」と言われる取調べが続きました。
 当職としては勾留決定が違法であるとして不服申立しましたが、裁判所に受け入れてもらえませんでした。10日間我慢するしかないと思っていたところ、さらに勾留が延長されそうになりました。勤め先には10日で出てくるでしょうから解雇は待って下さいと説明していたので、これは焦りました。
 このため、その日延長決定を担当する裁判官と面談して、是非とも勾留延長決定は避けて欲しい旨、共犯者の供述は信用しがたい旨、取調べの要請があれば自宅から通って応じる旨等を説明しました。
 その後、午後3時過ぎころ、裁判官が出した決定は、勾留延長しない、でも、10日間延長する、というものでもなく、1日だけ勾留を延長するというものでした。
 1日だけ身体拘束を延長することで、これまでできなかった捜査が進展するはずもなく、何のための1日延長か意味が分からない決定で到底納得できませんでした。
 このため、1日延長も違法だという不服申立をしようと思いましたが、申立書を作っている間に次の日になってしまう可能性があり、また当日中に申立できても、裁判所の決定が時間を要して翌日となれば上訴も意味がなくなります。そこで勤務先には明日出ますと伝えて了解を得たうえ、釈然としないまま1日待って、釈放となりました。
 おそらく、裁判官の決定は、延長請求した捜査機関の顔を立てて、かつ勾留延長しないよう求めた弁護人の意向にも配慮して1日の延長を認めたのでしょうが、1日でも身柄を拘束されることは大変な苦労です。特にその1日に意味がないのですからなおさら不合理なことです。支払期日が1日だけ延びるのと意味が違うのです。

 
 
    弁護士 多賀 秀典
   (金沢弁護士会所属)

昭和38年11月22日生

石川県白山市出身

中央大学法学部卒業

平成23年度金沢弁護士会副会長

・中部弁護士会連合会刑事弁護委員会委員
 
・金沢弁護士会紛議調停委員
 
・金沢弁護士会刑事弁護センター委員
 
・金沢弁護士会高齢者障害者支援センター委員

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